フリゲならではの「社会のお勉強」SRPG「ヌーズライト民主革命戦記」

フリーゲームの良いところは、作者の考えを作品を通して表現することができることである。そういう意味では、今回紹介する「ヌーズライト民主革命戦記」は、その色の強いゲームである。

こういうゲームがあるのもフリーならではで、人を選ぶ反面、面白い試みなのではないかと思ったのだった。

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タイトルがすでに社会派

【ヌーズライト民主革命戦記(ふりーむ。ダウンロード)】

このゲームのストーリーは、民族差別が横行するヌーズライト帝国内で、主人公のアンディとプロイツェールが革命の主力となって戦いの中に身を投じていくというものだ。よくあるタイプのストーリーだが、このゲームは筋書きよりも中身に特徴がある。

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主人公アンディ。被差別民族の出身である。

ゲームシステムが非常によく出来ていて、それがこのゲームの最大の特徴でもあると言える。

主人公たちは、毎回のシナリオで設定されている作戦目標(勝利条件)を満たす、もしくは敵を全滅させることによってシナリオを進めていくことになるが、その方法のバランスによって「秩序主義」「中立主義」「破壊主義」の属性を帯びるようになっていき、シナリオ上仲間になる人員が変わったり、また入っていた仲間が抜けるようになっている。

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マップクリアごとに評価が見られる

私は女神転生シリーズで鍛えた抜群の中立感覚の持ち主であるため(自惚れ)、ゲームシステムをよく理解できていない初回プレイ(難易度:リディキュラス)から中立主義を最後まで貫いた。しかし、これが失敗で、仲間になる人数が一番少なかったらしい。

結果、最終シナリオは悲惨なことになり、何度も試行錯誤しながら20ターン以上必死で防衛して増援が切れるまで粘り、やっと勝利をつかむという有様だった。真面目にやって1マップで攻略ターンが3ケタに上ったのは初めての体験。それでもクリアできたのだから、まだマシではあったのだが、心が折れるかと思った。

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中立主義。赤が敵軍。どうしてこうなった…

後でゲームのファイルを見直してみたら、フォルダの中に攻略情報もあった。攻略に行き詰まったり、好みの展開を楽しみたい人は見てみると良いだろう。作者の小ネタへのこだわりも見えて面白いかもしれない。

本作の特徴のもうひとつは、シナリオの中で様々に出てくる社会的・政治的な用語であり、社会のあり方を問う場面が多いことだ。基本的にアンディとプロイツェールの2人の主人公のうち、アンディが明快な決定をする側でプロイツェールが説明側になるため、どうしてもプロイツェールが説教臭く見え、主人公に見えないのが残念だ。

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2人の主人公は役割分担がされている

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様々な主義主張は多少デフォルメされているため、現実に当てはめるには難しい面があるが、いろんな考えがあるのだということを義務教育レベルで考えるには十分と言える。

絵柄と違い、ゲーム内のテキストや作戦司令がシビアで難しいので、少なくとも高校生以上にしかおすすめはできない。それでも、ゲームを通して社会を考えるということをより前面に押し出したゲームということで、興味がある人は年齢問わずプレイしてみると良いだろう。

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